水について

H2O と表現できるものをすべて広義の「水」とすれば、固体は氷、液体は水、気体は水蒸気、ということになる。加熱してできた水蒸気を凝結した蒸留水など不純物をほとんど含まない水を、純水(及び超純水)と呼ぶ。

重水 編集
水の化学式 H2O の水素が二つとも同位体重水素である水を重水と呼び、化学式 D2O で表す。水素の一つが重水素であり、もう一つが軽水素である水は、半重水と呼び、DHO で表す。水素の一つが三重水素トリチウム)である水は、トリチウム水(または三重水素水)と呼び、HTO で表す。重水・半重水とトリチウム水を併せ、さらに酸素の同位体と水素の化合物である水も含めて、単に重水と呼ぶこともある。この広義の重水に対して、普通の水は、軽水と呼ばれる。

軽水と重水は電子状態が同じなので、化学的性質は等しい。しかし、質量が2倍、3倍となる水素の同位体の化合物である水では、結合や解離反応の速度などの物性に顕著な差が表れる(速度論的同位体効果参照)。

日本語での呼称 編集
日常的な日本語では、同じ液体の水でも温度によって名称を変えて呼び分ける。低温や常温では水と呼ぶが、温度が高くなると湯(ゆ)という[注 2]。しかし、英語 (water) やフランス語 (eau) などでは、液体であれば温度によらず名称は不変である[注 3]。

日本語では、低温の液体である水であっても、(湯などから立ち上った)水蒸気が凝結して空気中に細かな粒として存在する水は、湯気という。気象に関する用語では、粒の大きさによって、霧や靄(もや)と呼ぶ(これらを総称した一般用語として霞もある)。それらが上空にある状態では、雲と呼ぶ。雲から凝縮して大きめの水滴となって地上に落ちてくる水は雨と呼ぶ。見てみてください